ウィーンのピアノ

新宿で「ピアノマニア」という映画がかかっているので、見てきた。
ウィーンのコンツェルトハウスを舞台に、ピアノの調律師を追ったドキュメンタリーだ。有名なピアニストも出演していて、その演奏も聴けるので、なかなかおトクな映画である。
芸術家であるピアニストは、ピアノの音にこだわり抜き、調律師はその職人技で難しい要求に答える。
つい二週間前にいたウィーンの景色、ウィーン風のドイツ語が懐かしい。
エマールがバッハの「フーガの技法」をコンツェルトハウスで録音したときは、たいへんだ。素人の耳では、絶対に判別できない些細な違いを調整してゆく。
ところで、私がウィーンにいることができたのは、ほんの数日だったので、残念ながらコンツェルトハウスには行くことができなかったが、楽友協会の黄金のホールでウィーン響とトーンキュンストラーを聴くことができた。
そのウィーン響のコンサートのときだったのだが・・・。
開演ギリギリに駆け込んできた中国人観光客。(けっして、台湾ではない。大陸である) クロークにコート類を預けることもせず、イスをガタガタとやり、席番を確認したかと思うと、記念撮影。もちろんフラッシュつきである。
コート類をコンサート会場に持ち込むことは、マナー違反であり、会場係員もクロークを案内するのだが、開演ギリギリということで、案内できなかったのだろうか。
私は、彼らに囲まれるような席になってしまった。
そして、演奏中。
私のすぐ後ろから、ピピッという電子音が聞こえた。時計のアラームを消し忘れたのかと、ふと振り返ると、件の中国人観光客がデジカメで、まさに撮影しようとしているところだった。ピピッというのは、ピントあわせの音だった。
その後は、カバンの中から携帯電話の呼び出し音が鳴ったりと、いろいろとやってくれた。
現在、オーストリアは、アジアからの観光客の誘致を日本から中国へ軸足をうつしている。
おそらく、これから、こういった聴衆がウィーンのホールに増えるのではないかと思う。
プロフェッショナルな演奏家や調律師がしのぎを削るウィーンは、いったい大丈夫なのだろうか。
2012-02-12 22:15
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)







コメント 0